介護施設でもそれ以外でも、感染症を予防するための手洗いは欠かせません。細菌やウイルスなどの感染症を引き起こす微生物は、ドアノブなどの手で触れる機会の多いものに付着しやすく、付着した部分を誰かが触った場合、その人の手を経由して体内に入り込む恐れがあります。そのため、自らが感染症にかかることを避ける上でも、感染症の拡大を防ぐ上でも、手洗いは非常に重要です。しかし、手洗いは重要な割に正しいやり方があまり知られておらず、間違った手洗いでは微生物が手に残る可能性が高まります。
水のみでも大半の微生物は洗い落とせますが、1%ほどは残ってしまうので感染症対策を意識するのであれば、石鹸やハンドソープは欠かせません。まずは水で大まかに手を洗うところから始め、次に石鹸やハンドソープを泡立てていきます。十分に泡立ったら手のひらから洗っていくのですが、でこぼこしている手のひらは洗い残しが起こりやすいので、手のひらの線が多かったり、濃い線があったりする人は、特に入念に洗うことを心がけたいところです。
続いての手の甲は、手のひらと比べると物に触れにくい部位ですが、油断せず全体をこするように洗ってください。次に洗う指は微生物が付着しやすい上に、指の間は洗いにくいので、指を組むようにして洗い残しを防ぐのが大事です。続いての爪も汚れが溜まりやすい部分なので、指を曲げ、爪を立てる形でしっかりこすり洗いを行ってください。爪の長さと微生物の付着しやすさは比例するので、介護施設で働くのであれば、爪を短くするのが理想です。