介護施設で気をつけるべき感染症の種類

高齢者が利用する介護施設では、感染症の発生に警戒しなければなりません。もちろん、高齢者でなくとも感染症は気をつけるべきですが、加齢に伴って免疫力・抵抗力が低下している高齢者は特に症状が重篤化しやすいため、細心の注意を払うべきなのです。高齢者施設では、どのような感染症がよくみられるのでしょうか。

代表的なのは、ノロウイルスやロタウイルスによって引き起こされる胃腸炎です。ウイルスに汚染された食べ物を口にすることで感染して、ウイルスが付着した手や吐瀉物、空気を介して周りにも感染を引き起こします。吐き気や下痢、発熱といった症状を引き起こして、脱水症状に陥り危険な状態にまで症状が進むケースもあります。これらを防止するには、提供する料理はしっかりと加熱処理を行う、調理に使う器具は入念に消毒を行うなどの対策が必要です。また、利用者の吐瀉物も適切に処理する必要があります。

空気感染として特に深刻なのが、新型コロナウイルスやインフルエンザなどといった感染力の強いウイルスです。利用者や職員が1つの施設でともに過ごす環境は、定期的な換気・消毒を行わなければこれらのウイルスの温床になってしまいます。誰かが感染してしまうと、そこから一気に感染が広がりクラスターにもなりかねません。施設内では、大勢が集まる機会を極力減らす、空気の循環や施設内と利用者の消毒はこまめに行うなど、継続的に感染を防止するための対策を施しましょう。(参照:【介護現場における】感染症対策